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「認知症ほのぼの見聞録」<令和4年4月版>

一つ屋根の下で暮らす者同士、やはり楽しいことばかりではなく、
大なり小なり、揉め事が勃発する事もしばしば…。

先日も、皆が集まるフロアで、隣同士に座っていたAさんとBさんの間で一悶着ありました。
きっかけは、Aさんが机の上にカルタを並べ、Bさんが片付け、暫くしてAさんが再びカルタを並べ、また片づけなかった事。
「いつもやりっ放しじゃない!片づけないなら、並べないで!私の前まで占領しないで!」と、Bさんが怒ってしまわれました。

Aさんの繰り返し行動は、ある種の認知症の方に見られる症状で、
実際の行動とは関係の無い、別の何かしらの要求の現れであったり、
その方が落ち着くこと、満足することを繰り返されていると言われています。

つまり、Aさんに悪気はないのです。

しかし、同じ「認知症」の診断を受けているとはいえ、その原因や進行具合によって症状は様々で、
Aさんの行動はBさんにとっては我儘な事に思えたのかもしれません。

近くに居たスタッフは、Bさんが痺れを切らされる前に間に入らなければいけなかった💦と反省しつつ、
この二人の溝を埋める為にはどうした物かと考え、とりあえずBさんの視界からカルタを避けようと、
「Aさん、上に並べるのはどうですか?」とカルタを横ではなく、上に数枚移動させました。

すると、向かいに座っていた男性利用者のCさんが、「いいよ、いいよ~。こっちにどうぞ~!」と、
楽し気な雰囲気で自分の前に数枚のカルタを移動させてくださり、それを見たAさんも、上へ上へとカルタを並べかえられました♪

暫くして、一通りカルタを並べ終わったAさんが満足そうな表情で席を立たれたので、
またトラブルが起きてはいけないと、スタッフがそちらへ向かいました。

するとそこには、静かにカルタを片づけ始めるBさんの姿がΣ(・ω・ノ)ノ!

どんな心境なんだろう??と近づき、Bさんの顔を覗き込むと、とても穏やか且つにこやかな表情。
スタッフが冗談めかして「お優しい💛笑」と耳元で囁くと、
悪戯な笑顔で、「私に頼むと高くつくわよ~(笑)」とAさんに話しかけるBさん♪

共同生活の良いところ♪ 優しさの連鎖といったところでしょうか( *´艸`)

台風シーズンを目前に、「雨ふって地固まる」ですね。

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